イタリアンあられ開発秘話 | 京西陣 菓匠 宗禅
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商品開発秘話

イタリアンあられ開発秘話

 

「海外の方が美味しいと口にする、最初のあられを作りたい」
その想いが開発の第一歩となりました。

これまでのあられは、醤油・味噌・塩など日本の調味料が味付けの基となるため、味覚が違う諸外国の方には、食べてすぐに美味しいと感じて頂くことが難しいものでありました。

しかし若かりし頃の私は「本物と呼べるあられは上技物あられの亀だ。あられを味わいたければ、亀を食べればいい」と思い込み、「死ぬまであられだけと向き合い、あられ職人で終わりたい」と考えていたのです。

大きく考え方が変わったのが【京町家茶房カフェ】を始めた事。カフェの開業当初は焼き立てのあられや餅、せんべいが出来上がる様子をを見ながら食べることができる、あられ専門店としてスタートしました。

ですので、カフェの定番メニューであるパフェやアイスクリームなどは一切おいていませんでした。しかし、多くのお客様から私の創るパフェやアイスクリームを食べたいとご要望を頂いたのです。

「あられ以外のものを作ることは私のポリシーに反する」と悩みましたが、「しかし私が作りたいものだけを作るのではない。お客様に喜んで頂いてのお店が本来の姿だ」と考え方を改め、焼きアイスや西陣パフェを創りだしました。

それが瞬く間に好評を頂き、人気の看板メニューとなっていたのです。

あられ以外のメニュー開発は、私のあられ職人としての腕を磨き、新しい技と経験となったのは言うまでもありません。

その時「ハッ!!」と気が付きました。「今までの私は『郷に入れば郷に従え』の想いが強く、外国の方に無理やり本格的なあられを食べさせようとしてばかりで、寄り添う気が全くなかった。この姿勢では、海外の方にあられの素晴らしさを理解して頂けるはずがない」と。そこで諸外国の方々があられをどのような場面で食べられるかを考えたのです。

そして頭をよぎったのはワインに合わせてあられを食べる海外の方の姿。
それまでの私はワインが苦手で、一切 口にしていませんでした。

しかし「ワインの本質を知らない菓子職人が、ワインに合うあられなど作ることができるはずがない」と思い立ち、京都で最も有名であり、また数々の功績をお持ちのソムリエである柳 忠志先生に弟子入りし、ワインを一から学び始めました。

柳先生にはティスティング仕方から、味覚、聴覚、五感について。そしてもてなしについてなど、多くの事を教えて頂きました。
そして、今までのあられは業界では使うことがなかったイカスミ・トマト・ほうれん草・バジル・ガーリック・オレガノ・パルメザンチーズ・オリーブオイルなどを組み合わせ、シーズニングに頼ることなく、もはやあられの製法とは言えない、料理を作るかの新しい製法で【イタリアンあられ】を完成させる事が出来たのです。

「今から約140年前、フランスからジャガードという織機が日本そして西陣に伝わり、織物文化がさらに華開いたように、このあられが多くの国々の方に美味しさを理解していただく『最初の一歩』になれば」と願っています。

そして今、このイタリアンあられが《ザ・リッツカールトン京都》のBARにて、ワインと共に多くの外国の方に楽しんで頂いております。

「このイタリアンあられから始まり、亀のあられに繋がっていく。」

このようにして、少しずつではありますが、日本古来よりの伝統菓子である『あられ』の素晴らしさが海外に広がっていくことを夢見て、今日も菓子作りに日々精進いたしております。

種類は全部で4種類。

【イカスミオリーブオイル】
イカスミの香りと味わいに、オリーブオイルと隠し味の黒こしょうと一味をピリッと効かせた海の香りがする挑戦的なあられ。

【パルメザンチーズトマト】
今までのあられにはない噛みしめるとホロホロと口の中でほどける、しなやかな食感が特徴。トマトとチーズの香り高い逸品。

【バジルホウレンソウ】
フレッシュなバジルの味わいと絶妙な塩加減の中に、あられの旨味と甘みを感じる和洋織り成す新感覚のあられ。

【ガーリックバターコーン】
食欲をそそるガーリックとバターの香り、噛みしめるごとに増すガーリックの味わいと、とうもろこしのほのかな甘さが絶品の欧風あられ。

「4種類すべてのあられが、非常に個性的で主張しており、赤ワイン、白ワインはもちろん、リーズナブルなものから高級なものまで、4種類がそれぞれワインとともに楽しめるのは大変『画期的』。海外の方にもきっと喜んでいただけるはず。」と柳先生に賞賛のお言葉を頂きました。

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