京のあられショコラ『金襴~きんらん~』開発秘話 | 京西陣 菓匠 宗禅
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商品開発秘話

京のあられショコラ『金襴~きんらん~』開発秘話

宗禅 金襴(きんらん)

「日本が誇る和のショコラを創りたい…」
それが、あられショコラ「金襴」への挑戦の始まりでした。

町でよく見かける『チョコあられ』と呼ばれる商品。これらの中のあられは、柿の種などしょうゆ味のものが主に使われていますが、柿の種の醤油とチョコレートの相性がそれほど良くなく、味に一体感がない。そのためお互いの良さを打ち消しあっている思いがありました。

そして「これがチョコレートのあられだと思われるのに抵抗があった私は、日本の伝統的菓子である『あられ』を用いた、和のショコラを創りたい」という想いに駆り立てられたのです。

もともと先先代が昭和20年代の後半に、柿の種とピーナツを合わせた今でいう『柿ピー』を日本で初めて作った、柿ピーの発祥の家に生まれた縁もありましたので、「柿の種を中途半端な形で売りたくない」という思い入れがあったことも事実です。

宗禅 珈琲あられ

そして今、「日本で唯一、『上技物あられ(じょうわざもの)』を創るあられ処の店主として、また日本の伝統を受け継ぐ者として、チョコレートに合うあられを作れないものか。また先先代のように、70年近くたった今も愛される菓子をこの手で作りたい」と強く思ったのです。

「どんなあられがチョコレートに合うのか」と自問自答する日々の中、ふと遠い記憶の中から思い返したのが、「こんな洋風なあられもあるんだ!自分も大人になったら、こんなあられを作りたい!!」と小学校の頃に感動したあられであり、それこそが、父が昔に作って食べさせてくれた『珈琲あられ』でした。

コーヒーのあられ。それは、ただコーヒーの香料をもち米に混ぜたものではなく、コーヒー豆を使った本物の『珈琲あられ』です。

コーヒー豆のような不純物を餅に混ぜると、割れやすく、また焼いたときに焦げてしまう。それは高度な技を必要とするあられでした。

何度も何度も、昔食べた懐かしい味を思い返し、試作を繰り返しながら25年の歳月を経て、ようやく同じ珈琲あられを復活させることができました。

コーヒー豆には、ブラジルの燦燦と降り注ぐ太陽の恵みを受け、真っ赤に完熟した実のみを収穫し、クラシフィカドールと呼ばれるコーヒー鑑定士さんが最上級の豆だけを選別し、評価されたものだけを用いました。

また焼きあがった珈琲あられの上から溶かした温かいチョコレートを掛けると、あられ独自の「さくっ」とした食感が失われる。それを避けるために珈琲あられの上から、もう一度コーヒーを特殊コーティングし、その後でベルギー産クーベルチュールチョコレートで包み込む三層構造に仕上げ、最後に金粉をあしらいました。

少しホロにがく、かつほのかに甘いサクサクとした食感の珈琲あられに、ミルクとビターのクーベルチュールチョコレートが生み出す上品で優しい甘さのマリアージュ。

宗禅 金襴(きんらん)

一粒に二週間という手間と時間をかけて創るこのあられは、地元京都の食通の方に瞬く間に広がり、今ではザ・リッツカールトン京都VIP用菓子として使用されるようになり、更にはドバイの王族や日本大使を招いて催されたロイヤルセレクションにて、日本を代表する菓子として献上されました。

親子二代、25年の歳月をかけて創りだしたあられショコラ『金襴』は、私の中でもとても大切であり、想いの詰まった作品です。

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