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SOUZENメソッド> #4 自社内クラウドファンディングのススメ
【自社内クラウドファンディングのススメ】

[SOUZENメソッド] #4

新店舗を成功させるための
自社内クラウドファンディングのススメ
Chapter1

背景1

新店舗を成功させるための
自社内クラウドファンディングのススメ
Chapter1

クラウドファンディングのススメ
 

弊社の直営店の中で一番コロナの影響を受けたのが京都駅の京名菓内に店舗を構えた「CoCo Color Kyoto」店でした。  このお店は「ココから始まる。京都のcolor(色)」に彩られた新しい京土産のセレクトショップとしてスタートしました。

国内の観光客様やさらにはインバウンド客様にもご愛用いただき、コロナ以前は平均しても前年対比130%を越えるほどの、全ての店舗の中で最も好調なお店でした。

しかし影響が出始めたのは2020年の2月に入ってから。ダイヤモンド・プリンセス号の感染者のニュースが流れだした頃から、売上は徐々に落ち始めます。

 2020年の4月7日に第1回目の緊急事態宣言が京都に発令され、4月18日から5月31日までポルタの京名菓内が休業となり、その後も営業時間の変更を繰り返し、それからは1日の売上は数千円まで落ち込み、店を開けるほどに赤字が増えていきます。

 そして2021年5月7日に京名菓の閉店と同時に退店することが決まります。そこから今後どうするか私は悩むことになります。  店舗がなくなると販売員が必要なくなり、今まで頑張って来てくれた働き手(スタッフ)を解雇しなければならなくなるからです。

 働き手を守りたいという気持ちと、どうすれば守れるのか?結論が出ないまま悩みます。

その頃、京名菓の後にできる施設内の募集があり「自家需要を取り込むことができる新しい商品、またはブランドであること」と要件が出ます。

コロナが長引き「かなり売上は厳しく資金繰りも大変な時期に出店できるのか?」 余裕は全くない状況。 「限りのある運転資金を新店舗開発の投資に回していいのか?しかも京都駅内で今・・・。

新規出店してもコロナの影響が大きく当面は売上も期待できない。この中で本当に出店していいのか?」 さらに苦悩の日々が続きます。

その時一筋の光明が見えます。それは私が所属する会合でのクラウドファンディングの勉強会。そこで自社内でのクラウドファンディングは前受の通信販売と同じことだと気がついたのです!!

「これにかけるしかない」

そこから一気に自社内クラウドファンディングと新商品の開発を進めます。

開発する商品は私が10年間温めてきた究極のフルーツ大福。 そして新店舗のコンセプトは私の創るお菓子のセレクトショップとして「KYOTO SOUZEN」と掲げます。

昨今は他社の商品開発のお手伝いなどで自社工場はあられ以外の様々なジャンルのお菓子の製造が増えました。V字回復するためには自社製造の商品をしっかりと販売できる店舗を作り、工場の稼働を上げることが1番の近道だと考えたからです。

私が陣頭指揮をとり自社内クラウドファンディングのページ作りもスタートします。 自社内クラウドファンディングは前受の通信販売と同じだと少し乱暴な言い方をしました。

それは先に予約注文を受け、後で商品をお届けすること。 さらにポイントを先に付与することは商品券をお買い上げいただくことと変わらないと考えたからです。

前受の通信販売と考えると本来のクラウドファンディングの会社を使う必要はない。

クラウドファンディングの会社を使わなくなると手数料(15%〜20%)を支払う必要がなくなるのです。

そうなるとご支援いただくお客様に、より多くの還元ができるようになる。  また弊社は製造メーカーなので定価で商品をお買い上げ頂くと必ず利益は生まれます。

それならば「出資していただく」という発想ではなく、「商品をお買い上げいただく」と発想を変えると、出資いただいた金額の100%を還元できるのです。つまり販売することと全く変わらないということです。

「お客様と一緒に新しいお店や商品を開発したい。」との想いによりクラウドファンディングと呼びましたが、実は前受の通信販売と同じだったのです。

この自社内クラファン事業においての目的は、新しく開発する予定の果実あふれる究極のとろけるようなフルーツ大福『果実とわらび』をお買い上げ頂くこととなったのです。


そしてもう一つ通信販売に繋げ、そのお客様となっていただくことを考えました。

もともと『果実とわらび』はお日持ちが3日ほどとなるため通信販売には向きません。そのため例えば高額の応援をいただいたお客様にたくさんの数の『果実とわらび』をお送りしても賞味期限内に食べることができずに逆にご迷惑をおかけすることになる。

 そこで考えたのが代わりに弊社のお買い物ポイントを付与するということでした。 お買い物券を先に買っていただくということと同じことです。

 またお買い物ポイントを付与するためには会員登録が必要となります。 付与したポイントは後日お使いいただくので自動的に通信販売のお客様へと繋がるのです。

 弊社を応援したいという心強いお客様が通信販売で増えるということは、この先を考えると必ず経営は安定します。  この自社内クラファンで長引くコロナ危機から自力で乗り越えることを選択しました。

 取り組む上でまず考えたことは応援いただいた方にお返しするためのリターンです。 あまりリターンの数が多いとお客様はどれがいいか悩み混乱させることに繋がる。 そのため4つに絞りました。

1、30,000円 「果実とわらび」8個とお買い物ポイント28,000円分
2、10,000円 「果実とわらび」8個とお買い物ポイント6,000円分
3、5,000円 「果実とわらび」8個
4、3,000円「果実とわらび」4個

「果実とわらび」4個で2,376円(税込)+送料1210円(関西)を考えると、全てのリターンは100%以上還元していることがわかります。

 通信販売と同じだと言った意味がここで確認とできると思います。

 この4つのリターンの書き方の順番にも工夫があります。 人は真ん中を選ぶ傾向にある。松竹梅があると竹を選びやすい!!

 なのでお買い上げして欲しい商品を真ん中に持ってくる。

つまり今回のクラファン事業で一番選んでいただきたかったのは10,000円でした。



クラウドファンディングの特徴として最初から分かっていた事は、私どものような小企業がクラファンに挑戦しても、今まで全く関わりのないお客様からご支援を集めることはほぼできないとういうことでした。

つまり例え大手のクラウドファンディング会社を利用しても、結局は知り合いや友人、自社のお客様にお声がけして支援者を集めなければなりません。

ほぼ8割から9割が知り合いからの支援となる場合が多いのです 

それならばクラファン会社を使わずに自社でやっても、最終の結果はあまり変わらないということが予測されました。

次に、当初の目標金額を100万円にしたのは1万円×100人。  弊社にはそれまで会員登録いただいているお客様が1万人いる。そして友人や知人、親戚などにお願いすると何とか100人は達成できると考えたからです。

クラウドファンディングの達成のために大切なことは、挑戦する代表者や社長がしっかりコミットし、それにかける想いやストーリーを前に出て伝えることです。  例え有名人や著名人の方を使ってもご支援される方の心を動かさなければ達成はできません。

そういう私が一番初めにクラウドファンディングに挑戦したとき、あまりにもクラファンについて理解もせずに、働き手(スタッフ)に任せて失敗しました。 なので自らで痛いほど学んでいます。

自社のクラファンページの作り方は、大手のクラウドファンディング会社のページを勉強し、できる限り同じように見えるように作り上げました。

どこのクラウドファンディングの会社もある程度の定型のページがあります。 このページは普通の通信販売ではなく、クラファンページだと見てそう感じて頂きたかったのでできる限りマネました。

またその方が信頼度も上がると考えていました。