「日持ちする本物のわらび餅が欲しい」
お客様からのそんなお声にお応えするため、
2015年に美味しくて日持ちするわらび餅の開発を開始しました。
しかし、その開発は大変困難を極めました。
わらび餅は、多くの水分を含んでいるため常温で数日置いていると、わらび餅の中から水分が出てしまい食感が悪くなるばかりかスグにカビが生えて食べられなくなってしまいます。
本物のわらび餅は「日持ちしない」という認識が一般的な常識です。
そのため、日本全国からの「お取り寄せ」や遠方の方への「贈り物」として「わらび餅」を送る場合は冷凍便でしかお届けできません。
しかも、冷凍したわらび餅は解凍後せいぜい2日ほどしか美味しさを確保できません。
もちろん、それはそれで仕方がない事ですが、
お客様からの声にもあるように
本物のわらび餅で日持ちを長くすることができれば
通常便で京都菓匠宗禅の味を気軽にお取り寄せやご贈答にご利用いただけるのに、という想いは当然私どもにもありました。
「多少研究すればなんとかなるだろう」
当初は簡単に開発できるとタカをくくっておりました。
しかし、簡単にできると考えていた常温での賞味期限延長化ですが、実は失敗の連続でした。
原材料や製法を何度も見直し、試作を繰り返しましたが思うような成果は得られませんでした。
「今の美味しさを損なわず、日持ちするわらび餅を創るのは不可能かもしれない」
これまで様々な商品を創り出してきた私(店主:山本宗禅)も今回ばかりは意気消沈していました。
そんな中、いつものあられ造りに励んでいた時、脳裏に突然、大きなひらめきが!
それは、くしくも100年の伝統として受け継いできた当店だけのあられの技術でした。
当店店主 山本 宗禅は、味はもちろんのこと見た目も美しい最高峰のあられ「上技物(じょうわざもの)あられ」を創る、現在日本で唯一の職人であり、そのあられは皇室やドバイ王室をはじめ、世界五ッ星ホテルにてお褒め頂いております。
「あられの元となる餅は、モチモチだが水分は出ない。しかし、そのまま置いておくと固くなってしまう。逆に、わらび餅は、そのまま置いていてもモチモチだが、時間がたつと水分が沁み出てきて味も食感も悪くなってしまう」
「それなら、わらび餅にもち米を加えれば水分を閉じ込めることができ、長く味や食感を損なわずにできるのでは!?」と考えたのです。
この仮説により、本わらび粉を主とする原料にもち米を合わせて炊き上げました。
が、今度は、もち米を入れると思いのほか固くなってしまいました。
その解決策として、次は酵素を用い餅を軟化させることを考えつきました。
わらび粉、もち米、酵素、さながら科学の実験のように、これらの配合を何度も繰り返し、試作を繰り返しました。
そして開発開始からいつしか5年、ようやく常温のままでも長く保存できるモチモチの食感の新しいわらび餅を完成させたのです。
日持ちを長くさせることに成功したこのわらび餅「串わらび」は、本物としての食感はもちろん、味にもとことんこだわり当店だけの独自製法で様々な味わいと美味しさを実現しております。
通常の味付き風味付きのわらび餅は、普通の製法ですと炊き上げた直後に抹茶などの材料を混ぜますが、その作り方では熱による苦みが出たり風味が飛んでしまい、本来の味わい深さを大きく失ってしまいます。
そのため、当店では、炊きあがったばかりの熱々のわらび餅をすぐさま急速冷凍庫に入れることで、餅が劣化する温度帯を一気に通過させ餅のダメージを防ぎ、餅が冷めるとすぐに冷凍庫から取り出し、抹茶や柚子、チョコレートなどの味付け・風味付け材料と合わせ、熟練の職人がしっかりと手揉みするという独自の『手揉み急速冷凍製法』により、モチモチの食感が格段にあがり、味わい・風味もギュッと凝縮されたわらび餅になるのです。
京の新わらび餅「串わらび」のお味は、宇治茶の中でもさらに希少な京都和束町の茶葉を使用した和束抹茶、和束ほうじ茶。そして、きな粉、クーベルチュールチョコレート、京都水尾柚子、黒ごま、さくらの7種類を揃えています。
京都発のモチモチの可愛らしい新わらび餅「串わらび」。ご家庭でのパーティやお誕生会、お祝いの集まりなどでお気軽にお楽しみいただけ、会話も弾む新たな映えアイテムとなること間違いなしです。